「残業ゼロ」を日本人に広めたい (日経ベンチャーonline)
面白いレポートを見つけたのでUPしてみた。
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先日、「ユニクロ」の会社へ取材に行ってきました。最近、家族の服を買うのに、この店に行くことが多くなっています。夏休みの間も、ニューヨークにある、ちょっと漫画チックな内装のユニクロまで買い物へ行ってきたほどです。ニューヨークにあるこの店は、日本らしさを強調するために、独特の内装を施しているのです。
今回はズボンやシャツを買い替えるためではなく、「ワークライフバランス」について聞くため、日本武道館に面しているファーストリテイリングの東京本社ビルへ行ってきました。さすがに、あらゆる面で従来の会社にありがちな伝統的なルールを破壊し、柔軟性のある会社を目指しているようです。
まず、オフィスに特定の個人用の机はほとんどありません。従業員は毎朝出社すると、自分のロッカーからノートパソコン、ファイルや書類を取り出します。携帯電話も持って移動し、数人が同時に座れる豆型デスクの空いているところなら、どこでも好きなところに座って仕事ができます。
毎日、不便でややこしいように感じるかもしれませんが、この「不便さ」は仕事の効率を上げるのにとても効果があるそうです。人間は、自分の居場所が決まっていると、いらない物が増えたり、余計な書類がたまる傾向があります。自分に必要なもの以外、何も持たないことで、仕事が速やかに進むのです。
もう一つ、このシステムの利点があります。これは米グーグル社でも同じような考え方を持っていますが、毎日、異なる社員と顔を合わせることで、社員同士がコラボレーションする可能性が高くなるのです。
例えば今日、たまたま隣に座った人が、以前に私が解決したことに悩んでいるとします。本来なら部署が違うので顔を合わせることもないですが、偶然にも隣り合わせたきっかけで、手助けすることができます。それとは逆に、助けてもらうこともあるでしょう。トランプと同じように、良い結果を得るためには、カードをたまにシャッフルする必要があるかもしれないということです。
また、この会社の最も興味深い特徴は、毎日、夜7時ちょうどにオフィスを消灯することです。過労死や残業を無くすために、特別な許可がない限り、従業員全員を帰らせているのです。その結果、限られた時間で、どのようにして効率よく仕事を済ませるか、それぞれの社員が工夫するようになります。「残業ゼロ」というキャンペーンはほかの企業でもよく見られますが、建前で終わるケースが多いのではないでしょうか。
ユニクロが、なぜ残業を積極的に無くすことにしたのかを聞いてみると、「我々はこれからどんどん海外に進出するつもりですので、海外でのイメージが良いように」という、ビックリする答えが返ってきました。
確かに欧米では、アフターファイブを大事にしている人が日本よりもはるかに多い傾向にあります。将来、お客、もしくは社員となる外国人のためにこうした制度を整えるのは確かに大切でしょう。しかし、現在まめまめしく働いている日本人のためにこそ、ほかの日本企業がユニクロの制度を学んで、残業を排除していく必要があるのではないかと取材を通して思いました。
ルーシー クラフト(=リポーターの名前)
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この記事は、カナダで留学生活を始めてもう2年以上経つ僕にとって非常に興味深く、リポーターの見解に賛同したので投稿してみた。
アフターファイブ
という言葉、カナダに来る前も日本で聞いていたことはあったものの、実際にアフターファイブを楽しんでいる社会人の人に出会った事が今まであっただろうか。
一方で、カナダでの社会人のライフスタイルは、実際にアフターファイブを楽しんでいるのである。
もちろんそのアフターファイブの時間の使い方は人それぞれであり、家に帰って子どもの面倒を見たり、再び大学へ通ったり、趣味の活動をしたり。
なぜここまで労働環境が違うんだろうか。
そして、どちらの方が「労働能率・効率」は良いのだろうか。
僕はまだその連日残業の労働環境の内に実際入った事のない人間であるが、社会人の知人の方達の話を聞くと、夜遅くまで残業を続けるのは
「そういう雰囲気だから」
という共通した答えが返ってくる(全く同じ言葉ではないが、意味合いとして)。
この「雰囲気」、とても日本らしい、良い意味でも悪い意味でも日本固有のオリジナリティーなのだなと思う。
そんな「雰囲気」を作り出しているのは、その場にいる社員だけでなく、企業全体、いや日本の社会全体が「残業はして当たり前」という概念を持っているからだろう。
面白い事に、僕の大学の友人の韓国人、中国人留学生に聞いてみると、彼らの国の労働環境も日本と同じく残業がかなりハードな様である(中国に関しては職業によりかなり差があると推測できるが)。
という事は、この「長時間働くことが美徳」という考えはアジア共通のものなのか?アジア民族のもはや「個性」なのか?
僕はそうは思わない。少なくとも、今の日本の凶悪な、時に理解し難い犯罪の異様な増加、高い自殺率、そして過労による鬱病患者の数を見れば、この過労働社会の社会秩序維持の限界が来ているのは誰の目にも明らかなのではないか。
特に、今働いている社会人の方たちは、それを感じているのではないか。
少なくとも、日本から10代の内に外へ出て、数年間カナダで生活してこちらの労働環境を見てしまった僕にとって、毎日残業深夜まで、平日は仕事のみという生活は倫理的におかしいと思うのである。
数年で変わることはあり得ないだろうとは思うが、ユニクロのようないち企業がこのような画期的な制度を取り入れても、政府単位で変えなければ「ワークライフバランス」なんて言葉はとてもアピールすべきではないと思う。
こんなに日本の労働環境を批判しておいて、僕は日本で働きたいと思っている。でも毎日深夜まで残業というのは、正直相当抵抗がある。でも新社会人の人達の話を聞くと、忙しさは相当なようで、覚悟しなければならないのか....それとも就活の際からそういった部分も視野に入れながら企業調べをすべきか。
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