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海外大学卒→民(大企業)→民(中小企業)→公(地方公務員)とちょっと変わった?遍歴を持つ公務員のブログです。

中国の環境問題での日本の役割(中日新聞)

2007年6月25日

今世紀に入り、環境汚染はその国だけの問題では済まされなくなっている。地球規模の温暖化をもたらすだけでなく、汚染物質は国境を越えて飛来し、近隣諸国に深刻な影響を及ぼすのである。

 ところで、他国の環境汚染は遠い場所での出来事というよりも、わが国にも身近な問題であるという認識が一般的事実として広がったのは、比較的最近ではないだろうか。それは、他国に起因するとみられる汚染問題、車のボンネットを真っ白にする黄砂の飛来や、日本ではすでに忘れかけていた光化学スモッグの復活などが最近、日常生活にも不気味に忍び寄ってきているからである。

 その他国とは言うまでもなく日本の隣国「中国」である。

 中国は現在、高度経済成長期にあり、特に工業製品の輸出が中国の高い経済成長率を支えている。中国の二酸化炭素の総排出量は、工業部門の成長とともに拡大し、工業部門を中心とした経済成長を今後も続けていくならば近い将来、中国が地球環境問題(温暖化や近隣諸国への汚染の輸出)の主役となるであろう(ただし、日本を含む多国籍企業も中国で生産活動を行い、汚染を中国本土に残しているという事実もある)。

 中国政府はこの事実を十分認識していると思われる。今年四月の温家宝首相の来日時も環境保護協力を日中で行う共同声明を出し、ポスト京都議定書の枠組構築に中国が積極的にかかわっていくことを宣言している。中国国内においてもすでに一九七〇年代より環境保護計画を定め、環境汚染対策を進めている。

 しかし、一方で、中国において官民は同じ方向では動かず企業の方は生産重視で、汚染物質の違法排出行為により各地で環境汚染事故が連続し、政府の計画通りに進んでいないのが実情である。

 中国の環境問題における日本の役割は大きい。それはただ隣国であり迷惑であるという理由からばかりではなく、日本には官民が協力しあって高度成長期の環境汚染を克服した歴史があるからである。日本の貢献は、蓄積してきた高い環境技術力、官民協力のあり方や環境対策のノウハウを提供し、中国で官民が環境問題で協力し合える基盤づくりに協力することである。中国からの汚染の脅威を批判するのもよいが、同時に環境問題で日本が積極的な働きを見せることが重要であろう。

  (金沢星稜大准教授)

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中国は色々な意味で、今後人類がどれだけ地球上で生活できるかのキーを握っている国だと思う。来年は、北京オリンピックの開催によりさらに世界から注目を浴びるであろう中国。中国の環境問題への日本の責任、そして対策への果たすべき役割は大きいと思う。

Link→http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/asia/kouron/CK2007062502027062.html



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